Shukabu blog ~株式投資から世界情勢を学ぶ~

テスラ株式分割発表!どうなるの!?ファンダメンタルズで徹底分析

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初心者ブロガー

「最近、株式分割の計画発表のニュースをよく聞くなぁ。テスラもまた株式分割を発表したけど、どうなるのだろう。気になるなぁ。。」

 
みなさん、こんにちは、シューカブです。
2022年3月28日に、米テスラはここ2年で2度目となる株式分割を発表しました。最初に株式分割を実施したのは2020年8月。まだ2年も経ってないのに早いですね。
テスラが株式分割することでどうなっていくのか、ファンダメンタルズ分析で深堀り考察していきましょう!
The Wall Street Journal

この記事の内容

  • 株式分割するとどうなるのか?
  • テスラ株のファンダメンタルチェック!
  • テスラの思惑を推察!

株式分割については、アマゾン、グーグルについて以前記事を投稿しています。
まだご覧になっていない方は、こちらもどうぞ。


株式分割するとどうなるのか?

株式分割とは?

まずはじめに、株式分割とはどういうものなのかを確認の意味も込めて、振り返っていきましょう。

株式分割とは、株式会社が発行済みの株式を細分化し、株式を分割するもので、例えば、1株1,000ドルを、5株で1,000ドルにするというものです。
企業は株式分割をすることによって、資産を増やすことなく、発行する株式数を増やすことができます。

株式分割が実施されると、分割比率に応じて保有株式数が増加し、株価が下がりますが、企業の価値や自分たちが保有する株の資産価値は変わらず、株主の投資額ももちろん変わることはありません。
しかし、株式分割は最近は、経営陣による、事業への自信を示していると解釈されているそうですね。そのため、最近株式分割の計画を発表した、グーグル親会社アルファベットやアマゾン、そして前回のテスラは、発表後、株価は跳ね上がりました。

株式分割のメリット・デメリット

個人としてのメリットとして、まず第一に挙げられるのは、一株あたりの株価が下がるため、投資家、特に個人投資家が買いやすくなることです。テスラは2022年4月1日現在、1株1,077ドルですので、日本円で13万1千円(1ドル=122円)が必要です。個人投資家では、決して少ない金額ではないですよね。
企業側から見ても、個人投資家にも買いやすくなるということは、それだけ投資される金額も増えるため、さらなる資金調達を見込むことができるため、メリットといえます。
つまり、株の動きを活発化させ、流動性を高めることで、株価の上昇を期待させることが、企業が株式分割を行う理由です。

株式分割のデメリットとして、株価の変動、つまりボラティリティが大きくなることが挙げられます。

株式分割についてこちらの書籍で詳しく書かれています。詳しく学ばれたい方はどうぞ。

テスラ株のファンダメンタルチェック!


では、投資をする上で押さえるべきポイントはクリアーしているか、テスラ株のファンダメンタルチェックをしていきましょう!

①売上は右肩上がりか?


 
こちらは、テスラの損益計算書です。
総収益(Total Revenue)を見てみましょう。

  • 2018年は、約215億ドル(2.5兆円) ※1$=115円計算
  • 2019年は、約246億ドル(2.8兆円)
  • 2020年は、約315億ドル(3.6兆円)
  • 2021年は、約538億ドル(6.2兆円)

2018年から2021年の総収益は、215億ドルから538億ドルと4年間で150.8%増です。2018年から2019年の1年間では、7.9%増、2019年から2020年では9.2%増、2020年から2021年では17.5%増となっています。伸び率を見れば、昨年から今年にかけて飛躍的に伸びていることが分かり、右肩上がりの成長を遂げているといえます。

②利益率は高い?

次に利益率を見てみましょう。
利益率とは、「当期純利益(Net Income)÷売上高(Total Revenue)×100」で表され、会社が本業で得た利益を言います。

  • 2018年は、約-4.5%
  • 2019年は、約-3.5%
  • 2020年は、約 2.2%
  • 2021年は、約10.3%

テスラはイーロン・マスクCEOのカリスマ性からか、ずっと前から利益率の高い企業を感じていらっしゃる方も多いと思いますが、じつは、2020年までは赤字企業でした。2020年にようやく黒字転換し、これからという見方の方が自然です。
2020年の黒字転換してからまだ1年で利益率が高いかどうかはまだまだ未知数といったところでしょうか。ただ2020年が2.2%から2021年には10.3%になっている点から、今後に期待が持てるといえますね。ちなみに一般的に20%が目安とされています。

③EPSは伸びている?

次はEPSです。
EPSとは、1株あたりの当期純利益のことで、「当期純損益÷発行済株式指数」をいいます。
ちなみに、当期純損益とは「売上-費用&税金=最終利益(当期純損益)」です。

  • 2018年は、 -1.14%
  • 2019年は、 -0.98%
  • 2020年は、 0.74%
  • 2021年は、 5.60%

EPSについても年々伸びていることが確認できますね!特に2020年から2021年はグンと伸びていることが分かります。

④営業キャッシュフローは増えている?


次にキャッシュフローを見てみましょう。
キャッシュフローとは、現金の流れを言います。財務諸表の1つであるキャッシュフロー計算書は、

・「営業活動によるキャッシュフロー」
・設備投資などの「投資活動によるキャッシュフロー」
・資金調達などの「財務活動によるキャッシュフロー」

の3つの項目に分けられます。

特に、営業キャッシュフローは、商品の仕入や販売など、主に営業活動による現金収支を表したものです。営業キャッシュフローがマイナスになるということは、営業活動を維持するために、資金調達が必要な状態にある、ということを表します。
事業の成長に力を入れたい企業にとっては、営業キャッシュフローは多いほど良いということになりますね。

では、テスラの営業キャッシュフローを見ていきましょう。

  • 2018年は、約 21.0億ドル (2412億円) ※1$=115円計算
  • 2019年は、約 24.1億ドル (2766億円)
  • 2020年は、約 59.4億ドル (6834億円)
  • 2021年は、約115.0億ドル(1兆3221億円)

2018年から2021年の営業キャッシュフローも、2020年度から飛躍的に増えていることが確認できます!

⑤競争優位性はあるか?

次に競争優位性について見ていきましょう。
さて皆さんは、テスラのビジネスモデルは何と思いますか?
自動車メーカーと思いますか?
いやいや、テスラは自動車メーカーではありませんよ!EVのリーディングカンパニーには変わりありませんが、テスラはクリーンエネルギーの会社です。テスラのビジョン(企業理念みたいなもの)は、「完全に持続可能なエネルギーエコシステムの構築」であり、企業の使命を「人類を救うこと」としています。

実際、テスラの事業はEVだけでなく、「ソーラールーフ」や急速充電器「スーパーチャージャー」、家庭用蓄電池「パワーウォール」などのクリーンエネルギー事業を着実に拡大させ、売り上げも増加傾向です。

単なるEVの自動車メーカーでは、今後の自動車業界の価格競争の波にもまれていくのは当然といえるでしょう。しかし、現在テスラが種を蒔いている、『太陽光発電からエネルギーをつくり→充電器・蓄電池でエネルギーを蓄え→クリーンエネルギーとして使用する』といった3つの流れは、近い将来にはスタンダードになるのではないかと考えられます。
この「完全に持続可能なエネルギーエコシステムの構築」を、他の企業に先駆けていることこそ、テスラの競争優位性であると、僕は考えます。

また、イーロンマスクCEOのカリスマ性も、競争優位性の一翼を担っていると思います。(SNSによる発言で株価のボラティリティを招くため、お騒がせとよく言われてしまいますが…)その分、プロモーションもイーロンマスクCEO自身が行っているようなものですしね。

テスラの思惑を推察!

「マスタープラン」・「マスタープラン・パート2」

皆さんは、テスラの「マスタープラン」はご存知でしょうか?
この「マスタープラン」はまず2006年に発表され、2016年に「マスタープラン・パート2」として発表されました。

「マスタープラン」を要約すると

    ①最初に高級スポーツカーを作る
    ②その売上で手頃な価格のクルマを作る
    ③さらにその売上でもっと手頃な価格のクルマを作る
    ④上記を進めながら、ゼロエミッションの発電オプションを提供する

 

「マスタープラン・パート2」を要約すると

    ①バッテリー ストレージとシームレスに統合された素晴らしいソーラールーフを作る。
    ②すべての主要セグメントをカバーできるようEVの製品ラインナップを拡大する。
    ③世界中のテスラ車の実走行から学び、人が運転するよりも10倍安全なセルフドライビング ケイパビリティを開発する。
    ④車を使っていない間、その車でオーナーの方が収入を得られるようにします。

となります。
最初の「マスタープラン」は見事に達成し、「マスタープラン・パート2」の着々と実現しつつある状況です。

「マスタープラン・パート3」

上記トピックでは、これまでにテスラが発表した、「マスタープラン」と「マスタープラン・パート2」をご紹介しました。この「マスタープラン」の第1章と第2章は、テスラのビジョンである「完全に持続可能なエネルギーエコシステムの構築」の実現と、テスラの業績アップに繋げるための戦略が示されていましたね。

皆さんもご存知と思いますが、先日2022年3月17日イーロンマスクCEOは、Twitterでテスラの事業を極限まで拡張する「マスタープラン・パート3」の計画の発表を予告し、21日は内容のヒントを呟きました。

“Main Tesla subjects will be scaling to extreme size, which is needed to shift humanity away from fossil fuels, and AI.
But I will also Include sections about SpaceX, Tesla and The Boring Company.”

“テスラの主なテーマは、人類を化石燃料から解放するために必要となる(事業を)極限サイズに拡大すること。そしてAIです。
しかし、SpaceX(スペースエックス)、Tesla、The Boring Company(ザ・ボーリング・カンパニー)に関する項目も盛り込む予定です。”

「マスタープラン」、「マスタープラン・パート2」とこれまで発表されましたが、イーロンマスクCEOのの各会社に焦点を当てるのは今まで無く、今回が初めてになります。
ネット上では、親会社を作ってすべての会社を1つ屋根の下に置くつもりでは!?などと憶測を呼び、いつもながら想像を掻き立てられる発言は、投資家のワクワク感を掴んでくれます!

僕は、テスラ(イーロン・マスクCEOのビジョンと言ってもいい)のビジョン=「完全に持続可能なエネルギーエコシステムの構築」を実現するため、スペースX/テスラ/ボーニング・カンパニーが将来的に三位一体となって事業を進めていくよ!コラボレーションするよ!と暗示してくれていると考えます。

まとめ

さて今回、テスラは株式分割を発表し、テスラ株がさらに買いやすくなりました。
この記事の後半で長々と語りましたが、テスラのビジョンはこれからの環境問題への解決にも繋がっていくであろうし、共感できる方も多いと思います。また、財務諸表を見ていても、赤字から黒字へ転換し、収益、利益率、EPS、営業キャッシュフローともに右肩上がりになっています。
このことから、僕はこのビジョンに今後もさらに期待したい、応援したいという気持ちも込めて、投資する価値はあると考えます。

テスラもアマゾンと同じく1株何十万円の株は、購入したくても高額でなかなか手が出ませんよね。株式分割することで、テスラの将来性に投資しやすくなります。
何分割になるのかはまだ発表されていませんが、購入しやすくなることは間違いありません。流動性が高まり、今後も株価が上昇していくかに注目していきましょう!

ただ個別株、特にこのテスラはボラティリティが大きいので、株の値動きに一喜一憂してしまう方は、ご自身の許容度をしっかり把握することが大切です。投資してみたいという方はしっかり検討してからにしましょう!

皆さんの投資の一助になれれば幸いです!

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それでは次回をお楽しみに👋

※投資は自己責任で
 

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